【YATTO】グラスコード (レッド×ホワイト×ブルー)

ハンドメイドでレザーにペインティングを施したグラスコードです

[※以下、facebookページ(https://m.facebook.com/fivecornerdsquare)で紹介した際に書いた文章です]

毎週決まった曜日、決まった時間にウチへ所用でやってくるムッシュ

到着予定時刻5分前から玄関脇に隠れ、ムッシュがやって来るのを待ち構える

7時15分、今日も定刻通りにお目見え

玄関に入ってきて靴を脱ごうとするその瞬間を見計らい、後ろから忍び込んで首を手刀でトーン!!

気を失うムッシュ

ソファーへ引きずって座らせる

息つく暇もなく昨晩から仕込んでおいた特製ドリンクをキッチンから持ってくる

毒サソリ333匹と‘舌’味の付いた毒蝮三太夫を馬鹿でかい鍋に放り込み、コウモリの生き血を6666cc注いで強火でコトコト

一煮立ちしたところで、“美味しんぼ”の活字が氾濫している史郎と雄山の解説シーンを単行本から引きちぎり乱切りに

それをササッと弱火にした鍋へ

活字が消えて全体に万遍なくうん蓄が浸透したとこで、スタバで仕入れた、エスプレッソのクワトロショットとシナモンパウダーでカスタマイズしてもらった
“ローストアーモンドフラペチーノ”をぶち込む

それを今朝までじっくりコトコト煮込んだのがこのドリンク

気絶しているムッシュの首元を抱えて気道を確保し、口を左手の親指、人差し指と中指でこじ開け、ドリンクを流し込む

十分な量を飲み込ませたところでiTunesに取り込んでおいたJose Jamesの名アルバム“Blackmagic”を選択し、スピーカーの音量を最大にして再生ボタンをポチッとな

1曲目の“Code”が流れ始める

そこで、呪文を唱える

「テジナーニャニャニャ」

「これでムッシュは催眠状態に

オイラの意のままに操れる、ハハハハハ」

あらかじめ用意しておいた衣装に着替えさせる

まず、ARTS & SCIENCE の3ピースを着させる

「ベストはちょっと小さめだが、他のサイジングは悪くない」

お次に『YATTO(仮)』のグラスコードを取り付けたTRACTION PRODUCTIONS の眼鏡をかけさせる

「おぉー、雰囲気が出るぅ～!!」

最後は,James Lock & co のハットでとどめ

「紳士度、激上昇!」

「もともとステファン・グラッペリにクリソツでいい佇まいをしているだけに予想通りの仕上がりになったな」

調子ずいて「あーらよっと」「あーらよっと」と催眠状態のムッシュ・グラッペリを操り様々なポーズをとらせる

15分くらい経過した頃だろうか

突然、ムッシュが舌をペロッと出して目を見開いた

「しまった!無駄にカスタマイズしてもらったエスプレッソクワトロショットがまずかったのか？」

撮影モードからふと我に返ると、削除しておいたはずのアルバム5曲目“Promise In Love”のイントロが始まっているではないか!

「21世紀、最初にして最後で最高に眩いばかりにキラキラと輝くナンバーが流れていては黒魔術の結界が破られ、催眠状態が解けてしまうではないか!」

とっさに曲送りを押したが、時すでに遅し

徐々に理性を取り戻しつつある

「最近こそ穏やかだが、昔は札付きのキョンシー…ではなく札付きのワルだっただけに何をされるかわかったもんじゃねぇー

やっべー、逃っげろー!!」

ハーハーハー

「フー、何とか逃げ切れたぞ

催眠は途中で切れたけど、写真も一応撮れたし良しとしよう」

「それに、こんなヘンテコで長ったらしい文章を最後まで読んでくれた方の中に『YATTO(仮)』のグラスコードが買いたくなる催眠がかかっているはずだから…」

　　　　　　　　　　-≪完≫-